2011年2月22日(火)
先週、友人宅へ借りていたパワーアンプ・マッキンMC30を返しに行き、帰りに手作りのUSB ケーブルを借り、大量の音楽ファイルをもらってきました。
まずは、USB ケーブルですが、画像のように長さ30cmほどの短いものです。
パソコン側は普通のA端子、DAC側は小さなB端子を使用し、ケーブルはより線2本とシールド線を使用しているのが分かります。
おそらく、より線は+5VとGNDの電源ライン、シールド線は+Dと-DのV-Busの信号ラインではないかと思います。
雑音防止のフェライトを付ければもっと効果的になるかも。構造的には簡単なものです。
早速、DACのケーブルを取り替えて見ました。とてもメリハリのあるクリアな音です。ただ、私には元々のUSBケーブルとの違いは分かりませんでした。
瞬時に切り替えれば分かるのかもしれません。でも、オーディオは一つ一つの積み重ねですので、オーディオ的な構造のUSB ケーブルを使用することには大きな意義があります。
ぜひ欲しいものです。50cmほどの長さがあればもう少し使いやすくなります。市販のUSBケーブル自作セットという手もあります。
もう一つは、もらってきた高音質の音楽ファイルです。16ビット44.1kHz、24ビット96kHz、24ビット192kHzの3種類ありました。
80GBを超える量ですのでまだ一部しか聴いていませんが、この中のジャシンタ(Jacintha)のアルバムから「Moon River」がとてもよく、息づかいなどはとてもリアルでした。これが16ビット44.1kHzだったのでおどろきました。
また、24ビットではJudith OwenのHappy This Wayから「Conway Boy」もよく、ベールが1枚取れたかのような広がり感がありました。
CDを聞き慣れた世代には、ジャシンタのMoon Riverは違和感がないうえにCDの鼻づまり感がなく、16ビットでも十分行けると感じます。
というか、CDデッキで聴く音があまりにも良くないのが不思議です。どんなに高価なCDデッキでもPCオーディオの音は出てきません。
あのLINNでさえ2年前にCDデッキの生産は終了し、今後はLINN DSというネットワーク・ミュージックプレーヤーを主力にするというのです。
LINN DSは、ネットからダウンロードした音楽ファイルを再生するプレーヤーということで、PCオーディオ的なカテゴリーに入ると思います。PCオーディオならLINN DSと同等以上のものがもっと安価にできますね。
24ビット以上のハイレゾ・ファイルは、確かに繊細感や音場の広がり感がありますが、これは音楽性とはまた違ったものと思いました。
現状では、ハイ・ビットだからすべていい音楽ということはありません。16ビットでもハイ・ビットに優る曲がいくつもあります。力強さというのはむしろ16ビットの方がよく感じられます。
ただこれは「今」においてです。今後、録音が良く音楽性も良いハイレゾファイルがたくさん出てくれば、ピュア・オーディオの世界で、CDプレーヤーはほぼ確実にPCオーディオに置き換わっていくでしょう。
そしてもうひとつ、これによってアナログが廃れることは(当分は)ないと思います。レコードの音楽性はPCオーディオとはまた別のものと思うのです。
レコードのよさはレコードだけのものです。私は、レコードプレーヤー、真空管アンプ、古いタンノイのスピーカーという基盤を崩すつもりはありません。
ギターアンプが石から真空管に戻ったように、PCオーディオの音楽性もいずれ真空管アンプで評価されることになるものと思うからです。
年をとって1本30kgもあるタンノイを持てあますようになったら、その時は今のシステムをすべて処分して、小さなブックシェルフスピーカーと6BM8シングルアンプ、そしてノートPCでPCオーディオを楽しむことになるでしょう。
それまでは私の中でPCオーディオとレコードは共存して楽しむつもりです。