2017年9月1日(金)
ジャズレコードコレクションの購読を止めたらブログも遠ざかってしまいました。今日は久しぶりに軟化剤ネタを書いてみます。
昔のスピーカーはウレタンエッジかクロスエッジが多いです。ダイヤトーンは、ほぼクロスエッジです。
特にダイヤトーンのクロスエッジは数年で硬くなってしまい、指先で押してもエッジが硬いのが分かり、凹まないくらいになることがあります。
その原因は、クロスエッジの裏に塗ってある「ビスコロイド」というダンプ剤のせいです。
ダンプ剤とは言いますが、クロス(布)エッジは空気を通すので、その目止めとして空気を通さないように気密を高めるために使っていたものです。
これが、最初はやわらかいゴム状のものなのですが、年数の経過とともに硬化が始まり、数年で硬くなってしまうのです。昭和の時代のダイヤトーンなんて、ビスコロイドがカチカチに固まっています。
これが何で悪いかと言うと、コーンの動きを妨げて、低音が出なくなるからです。
25cmや30cmのウーハーなら、部屋を揺るがすような低音が出るはずですが、おとなしい低音しか出なくなってしまいます。
長い前置きはこれくらいにして、カチカチになったビスコロイドをどうやって対応するかを書いてみます。
先ずは、ウーハーユニットが外れる場合
ユニットのエッジの裏面から軟化剤を筆で塗ってビスコロイドを溶かし、軟化したらスプーンの先などでこそげ落として、仕上げにゴム系のダンプ剤(気密を確保するため)を塗ります。
溶かすためには、ネットでよく見るのは、100円ショップで売っている「強力瞬間接着剤はがし液」や「ジッポーオイル」などです。ブレーキフルードはおすすめしません。
ダンプ剤としては「セメダインスーパーX」や液体ゴムの「ユタカメイク 液体ゴム クリア チューブタイプ 70g BE2-6」などです。
これらを混ぜ合わせている方もいます。ダンプ剤をエッジの裏に塗ったら完了です。
⇒ ユタカメイク 液体ゴム クリア チューブタイプ 70g BE2-6
次に、ウーハーユニットが外れない場合
ユニットが外れなければ、ビスコロイドを軟化させるだけです。表面からエッジに軟化剤を塗ります。コーンに垂れないように注意します。コーンに垂れると、エッジとコーン紙の接着が剥がれることがあります。
塗って30分もすれば、低音が出てくるのが実感できます。2回目は1週間後ぐらいに塗り、3回目は1ヵ月後ぐらい、4回目は3ヵ月後ぐらい、5回目も3ヵ月後ぐらいと、だんだんに間隔をあけていきます。
このぐらいになると、軟化したビスコロイドがやわらかさを保てるようになるので、以後は半年に1回ぐらい塗れば良いと思います。
ただし、すべて自己責任でお願いします。ダイヤトーン系は先ず失敗しないと思いますが、高価なプレミアが付いたユニットは、エッジがシワシワになったという方がネットに出ていましたから。
いまのところ、安心しておすすめできるのは、ヤフオクで「スピーカーエッジ軟化剤」として出ている商品です。1,500円ぐらいでいろいろあると思います。
成分が明らかにされていませんが、匂いがないのでブレーキフルードではないと思います。油性です。おそらく、アセトン、アルコール、グリセリン、何らかのオイルなどを適量にミックスしたものと思われます。原価は100円もしないかもしれません。
でも、3年から5年分ぐらいの分量があるので、自分でアルコールなどを買い集めて試行錯誤するよりは全然手軽です。
注意点をもう一度。
エッジ軟化剤が使えるのはクロスエッジのみです。
ブレーキフルード(俗に言うブレーキオイル)がよく使われていますが、主成分であるポリエチレングリコールモノエーテルが人体に有害なため、使用はおすすめしません。