2025年5月25日(日)
コーラルのコアキシャルスピーカーユニット 8CX-50を購入しました。2本欲しかったのですが購入できたのは1本だけでした。
昨年(2024年)の1月にも8CX-50を1本だけ入手できたのですが、入手後に16Ωだったことに気が付いて、しばらく使っていましたが音圧の差が気になって手放したのでした。
今回は中古としては大変きれいな8Ωモデルを入手できました。
8CX-50は1965年ごろから製造販売されていたようで、1970年ごろにはまだコーラルのカタログにも載っていたように記憶しています。
実に約55年(半世紀以上)はたっている製品と思われます。
その割にはきれいな外観で、おそらくエンクロージャーに取り付けられたまま長い年月を休眠していたのではないでしょうか。
早速音出しと行きたいのですが、仮設バッフル板に適当なものがなく、いまは単体のままでAmazon Music Unlimitedを音源に、CDラジオのアンプからつないでいます。
仮設バッフル板を作るまでの間、しばらくエージングを兼ねてこれで聴いてみたいと思います。
1年4か月ぶりに聴く8CX-50です。
やはり明るくて明瞭な好ましい音色です。おそらく今風の音ではないのでしょうが、FLAT 8-Ⅱのような爽やかで明るく元気な音よりも若干おとなしく、ピアノの音色がよく前に出てきます。ジャズピアノがご機嫌です。
パイオニアPAX-A20とは傾向が全く違う音ですが、8CX-50もやや控えめながら味のある音色でとても気に入っています。今後はこの2本立てで行けそうです。
ユニット単体ですが低音もよく出ています。ウーハーもホーンツイータも異常ないようです。
ホーンのきれいな高音が時折り耳に届いて、やっぱりツイーターはホーンがいいなと再認識しました。
ホーンの裏側にコンデンサと抵抗が取り付けられています。数字が見えませんが、ネット情報によれば、コンデンサは2μF、抵抗は8.2Ωの金属皮膜抵抗とのことです。
抵抗はインピーダンス調整とアッテネータを兼ねたものだと思われ、おそらく抵抗とコンデンサが直列にツイータにつながっていると思われます。
クロスオーバーが3kHzなので、2μFでは小さいように思います。6.6μF程度が必要ではないのかと。
出典:スピーカーシステムの自作(日本放送出版協会昭和56年8月10日発行)
また、8.2Ωはツイータのアッテネータとしては、大きめの値ですね。ツイータの音圧がかなり大きいのでしょうか。
ウーハーはフルレンジ的に使い、ツイータだけ低域カットしているようです。
エッジはとてもやわらかで、以前購入した16Ωの8CX-50は硬かったのに、個体差なのか分かりませんが、このエッジなら問題なく低音も出そうです。
ネット情報では発売当時は35万人のユーザーがいたということなので、35万ユニットが存在していたことになりますから、物置の隅で眠っているユニットも多いでしょう。ぜひもう1台購入したいものです。
エンクロージャー寸法を再掲しておきます。8CX-50の専用キャビネットはB-850という型番で当時10,200円だったそうですが、残念ながら寸法が分かりません。
次の画像は8CX-501のエンクロージャー寸法です。B-850の外形は、幅398x高さ779x奥行470mmとのことで、こちらはややコンパクトな大きさです。
出典:Audio 別冊 スピーカー自作マニュアル 電波実験社刊
ちなみにコアキシャルスピーカーとは『同軸スピーカーのことで、ツイーターをウーファーの中央に組み込み、その発音位置を同軸上にそろえた形式のスピーカーのこと。』というのが一般的な定義と思います。
タンノイのモニター・レッド、モニター・ゴールド、HPDシリーズのように、ウーハーの中央部に埋め込んだものもあれば、パイオニアPAXシリーズや、コーラル8CX-50などのように、ツイータの中心位置をウーハーの中心位置に合わせたものもあります。
次は以前持っていたチェビオットのHPD315の構造です。磁気回路を共用していますね。
次はコーラル8CX-501の構造図です。
こちらはパイオニアPAX-A20の断面画像です。磁気回路は別々です。
コアキシャルは、『ツイーターをウーファーの中央に組み込み、その発音位置を同軸上にそろえる』ことが目的なので、磁気回路を共有しているか否かということは大した意味を持たないと思っています。ここは異論のあるところかもしれませんね。
PS.2025/05/27
気のせいかもしれませんが、16Ωの8CX-50の時は何とも思わなかった中域の張り出しが感じられます。バスレフ箱に取り付けたときにどう聴こえるか興味深いです。
ただ、嫌な音ではありません。ピアノの音などは響くようなとてもいい音がしています。
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