2010年12月29日(水)
購入したUSB DACは、やや軽い感じの音質が気になっていました。クラシックもジャズもヴォーカルも同じような音に聞こえてしまうのです。
エージングで良くなるかと思いながらも、Webサイトで評判の良いオペアンプLME49720を試してみたくて秋月の通販で3個購入しました。
3個なのは、購入したDACはオペアンプを3個使用しているからです。1個270円ですから、効果がなかったとしてもあきらめられる価格です。
ちゃんとデータシートが付いています。データシートはネットでも入手できます。
購入したLME49720
結論から言えば大成功でした。
まずは、取り替え作業の状況です。前面と背面のビスを六角レンチではずすと次の画像のようにボディーカバーの上半分がはずれます。
オペアンプは画像の右上に3個見えています。型番はOP275。四角いICですからすぐに分かります。
ソケットに差し込まれているので交換が容易にできます。ほとんどはソケットタイプと思いますが、基盤に半田付けされているときは交換がとても面倒になります。
DACの電源を切り、USBコードをはずし、RCAケーブルもはずしてオペアンプOP275を取り外します。
ピンセットでボディーの前後をつまんで軽く揺するとソケットから抜けてきます。
ラジオペンチのような強力な工具を使うと壊れやすいので、あえてピンセットを使うのです。
この手のICは静電気に弱いので、ICに触る前には床や金属の棚などに触れて体の静電気を何度も放電させます。次の画像のように抜き取るのは簡単でした。
次に購入したナショナル・セミコンダクター製オペアンプLME49720を差し込みます。
向きを間違えないように注意が必要です。向きを間違うと電源を入れた瞬間に無音のまま逝ってしまいます。
ピンはやや広がった状態なのでそのままではソケットに入りません。
片側の4本をまず差し込んで、片側はピンセットの先で根気よく位置を合わせて無理なく差し込むようにします。
無理にするとピンが曲がってしまいます。また、私はピンセットを使いましたができれば絶縁体を使った方がいいでしょう。次の画像は交換後のものです。
カバーを閉める前に電源をつないで、オペアンプが発熱したり異常がないかをチェックします。
発熱も臭いもなく大丈夫なようです。
RCAコードをつないで、まずはCDデッキからのデジタル信号をDACに入れてスピーカーを鳴らしてみます。
昨日は変化が感じられませんでしたが、今日はデッキよりも若干明瞭度が増し、メリハリも向上しているのが分かります。
うれしくなってMediaMonkeyから「マイスター・ミュージック傑作選2007」のリッピングデータを再生してみました。
バッハ無伴奏チェロ組曲第1番のチェロの低音が体に響きます。
ある個人ブログに書かれていたLME49720の評価で『音のメリハリ、粒立ち、解像度どれをとっても最高レベル。低音の質・量とも申し分ない。声に艶がある上に微細な余韻音も余すところなく再現します』というそのとおりの音で、とても好ましい結果でした。
そして、不満だった音の軽さがなくなり、重心が下がって全体に音の厚みがましたのが分かりました。
DAコンバーターチップよりオペアンプのほうが音質に対する変化が大きいというのは本当のようです。オペアンプLME49720は、使ってみる価値は大きいと思います。
PS
foobar2000 v1.1.1を使用してCDからリッピングしようとしているのですが、どうしてもWAV型式にしかなりません。
最初からFLAC型式にしたいので、いろいろ試しているところです。はじめはリッピングすらできなかったので少し進歩しました。foobar2000はわかりにくいソフトです。手こずっています。