2007年12月1日(土)
借りていたLINN LP12とカートリッジSPU、昇圧トランスT-30を無事に友人に返し、久しぶりに自分のレコードプレーヤー・パイオニアPL-30Lをセットしました。
カートリッジはオルトフォンMC20。昇圧トランスはDENONにもどして、サンバレーSV-6もなおったことだし、オルトフォンSPUで聴いたときすばらしかったピアノソナタ「ワルトシュタイン」をかけてみました。
出だしから雰囲気がかなり違います。SPUの甘美な音色が、MC20ではさっぱりした音に感じます。
SPUが原色だとすれば、MC20はパステルカラーといった感じでしょうか。LINNの威力もあるとは思いますが、やはりSPUと専用トランスの役者の違いは大きいようです。
SPU-Aタイプ
わがPL-30LとMC20では価格だけでも10倍以上の差になるので当然の結果でしょう。
いろいろ試した結果なるほどと思ったことは、LINNやトーレンスなどのフローティング方式はスピーカーからの強力な振動には素晴らしく強いことです。
PL-30Lではインシュレーターはほとんど効いていないようで、キャビネットにダイレクトに振動が伝わっているのに、LINNのアームベースには振動が全く感じられないのです。
もちろん可聴帯域を含む広帯域で共振があってはいけないわけで、LINNは見た目はシンプルでとても数十万円もする機種には見えませんが、部品やネジの一つ一つまで計算し尽くされて、巧妙に制震効果を上げているのでしょう。
おそらく国産高級機でもそこまで徹底したものはありますまい。そして、オルトフォンのような針圧の高めなカートリッジは、アームの動きを抑えた方がいい結果になるように思いました。
PL-30Lのようなオイルダンプによるアームの制動を可変できる機構を備えた機種は、制動を強くかけた方が音がきれいに聞こえました。
B級としては、こういうものは中途半端なものをあれこれと買い漁るより、本当に良いといわれるものを一つ購入する方が、結果として安く済むことを知っています。
SPUそして外国製フローティング方式ベルトドライブ機を安価に手に入れることを来年前半の課題にしたいと思います。
PL-30L アーム軸上部がダンピング調整つまみで、上下することで制動を可変できる
小さなネジ1個の締め付け方にもノウハウがあるというLINN LP12
SPU-A 諸元
発売開始年:1970年代以降
発売時の定価:不詳 最終期のモデルは34,000円
製造国:デンマーク
針:Aシェル丸針
発電方式:MC型
出力電圧:0.2mV
針圧:3~5g
内部インピーダンス:2Ω
※SPU-Aは2回以上の改良があり、年代の特定は難しいため上記は参考程度です。