2009年11月6日(金)
2カ月ぶりの更新になってしまいました。季節はすっかり晩秋です。気温20℃、湿度60%の今頃がカートリッジにもちょうど良いのか、レコードがとてもいい音で鳴ってくれます。
今回、古いDENONのレコードプレーヤーを8,000円あまりで購入しました。DENONブランドには昔あこがれたものでした。
キャビネットはきれいでつやがあります。V15typeⅢを取り付けてみました。
アームに触れるとすぐに、パイオニアPL-30Lに比べてそれほど感度の良いものではないことが分かります。
ティッシュを1cm四方にちぎった紙片をシェルに落としてみると、PL-30Lのアームは大きく上下するのに、このDP-55Mの方はほんのわずか下がるだけです。
ただ、感度が悪いから音も悪いという訳にはいかないところがオーディオの難しいところです。
聴き慣れたビル・エヴァンス・トリオの「ポートレイト・イン・ジャズ」を聴いてみても、全然違和感なくいい音がします。
正直言ってレコードプレーヤーによる音の違いはレコード片面聴いても分かりません。
このDP-55Mは、「オーディオの足跡」などに詳細が記載されていますので重複は避けますが、1981年頃に発売されたもので、当時の価格は65,000円でした。
カートリッジレスのマニュアルプレーヤーです。DENONお得意のACサーボモーターで、プラッターはアルミダイキャスト製の軽いものです。
ウエイトは大型でかなり後ろに下がるので、オルトフォンSPUの取付ができるかもしれません。
アームの高さ調整は、アームベースの2本のマイナスねじをゆるめると上下に動きます。ねじは後ろ向きにあるので、アクリルカバーをはずさないと作業スペースがとれません。
針圧の目盛りは荒く、全般に調整は大まかな操作性です。PL-30Lの方が操作性についても繊細感があります。
この当時のDENONはオートリフトアップのアームがついたプレーヤーは末尾が”L”になります。DP-55LやDP-60Lのように。
本当はDP-60L(当時90,000円)をねらっていたのですが、いまでも3万円近い高価な値が付いているので断念しました。
ON、OFFスイッチが少しスムーズさに欠けますが、33回転、45回転ともストロボがぴったりと合っていて聴感上のワウフラッターは感じられません。
DP-55Mには重めの針圧をかけるMC-20mkⅡをつけようかと思います。針圧の軽いV15typeⅢは、アームの感度の良いPL-30Lの方があうように思います。
ともあれ、プレーヤーが2台あると、シェルを交換することなくカートリッジを使い分けられるので便利です。
1台はMMカートリッジ、もう1台はMCカートリッジですが、DENONの昇圧トランスは入力が2系統有り、出力はトランスを経由するかパスするかが選択でき、昇圧トランスのスイッチの切り替えだけで対応できます。
2台並べてみると、価格の安いパイオニアPL-30Lのほうが造りがよく、高級に見えます。
ただ、DENONの姿も魅力的ではありますね。
国産プレーヤーはもうこれで十分。やはりいつかはトーレンス、ガラードですね。