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オープンデッキ AKAI GX-635D No.1

AKAI GX-635D オープンデッキ

2008年11月27日(木)
前回から随分と日にちが経ってしまいました。日経平均株価に注目しているうちに初雪も降ってすっかり初冬です。レコードを聴くには寒い時期になりました。

今日は友人よりオープンデッキを貸していただきました。AKAI GX-635Dで、1980年ごろのものです。アナログの中では最も音が良いと言われるのがオープンリールテープなのです。

これは10号リールがかけられるデッキで、10号リールを回したときの存在感はとても素晴らしいものですが、当時市販されていたミュージックテープは7号リールが主になります。

画像は7号リールです。少し間延びした感じがしますが、それもご愛敬でしょう。

3モーター、3ヘッドは高級機のお約束でした。オープンデッキはとても高価で、当時はまったく手が出せませんでした。昔のデッキらしく、再生ボタンや停止ボタンを押すと「ガチャン」とプランジャーが作動する大きな音がします。

AKAI GX-635D

一緒に貸してもらったテープの中に、私の好きな「アルペジオーネ・ソナタ」があったので早速かけてみました。

テープは、セットするまでにレコード以上に手間と時間がかかります。テープの張り具合をみておもむろに再生ボタンを押します・・・。音が出ません。

取扱い説明書がないので、たくさんのスイッチを一つひとつ見てみると、テープとソースを切り替えるボタンがありました。

テープ側に切り替えるといきなり音が出てきました。チェロの図太く滑らかな音色があふれ出てきます。

AKAI GX-635D

中低域の音の厚みはすごいものです。刺激的な音がなく、滑らかさや音の連続感(適当な表現が見つからないので)は特筆ものでしょう。

テープ特有のヒスはまったく感じられません。むしろ巻き取りリールにテープが擦れる音が耳障りです。

高域はあまり伸びていないように思いました。はじめは音がこもっているように感じられ、これはAKAIの音なのか、ヘッドなのか、テープのせいなのか、見当も付きませんでしたが、それでも奥行き感があり、力強さがあり、スピーカーに近づいても全然うるさくなく、レコードともCDともまったく違う音におどろきました。

テープを4本聴いて、いつものようにテープとレコードとCDを切り替えてその違いを聴きました。

一番繊細感があったのはレコードでしたが、テープを聴いた後では刺激的な音にも感じました。

意外にもCDが健闘して、レコードとテープの中間のような感じで悪くないと思いました。気のせいかCDの音色が電子音のようにも聞こえましたけれど。

テープは非常に滑らかでダイナミックな音色です。弦楽器の音がとても美しい。今時の音とは違う昔の音色なのかも知れません。HiFiとは少し違うかも知れませんが、第3のソースとしてとても魅力的です。

アルペジョーネ・ソナタ

ミュージックテープの箱の大きさは縦横とも約18.7cm、7号リールの直径は約17.8cm。録音時間は片面がレコードの片面とほぼ同じです。

10号リールだと直径約25cmになります。このようなミュージックテープは当時3,000円前後で市販されていました。

オープンリールは、デッキに取り付けるにも取り外すにも手間がかかります。これもまた楽しみなのですが、だれでも楽しめるわけではありませんでした。

カセットテープが世の中に出てから、オープンリールデッキがカセットデッキに取って代わるまでほんの数年だったと思います。

オープンテープ

 

 

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