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PE-16、P-610DB、PAX-A20 聴き比べ

PE-16 フルレンジ

2023年2月10日(金)

パイオニアのフルレンジ PE-16を色々聴き込んでみました。

チェーントーネディソナタ:バイオリンの泣きが素晴らしくきれい

ロッシーニのオペラ エジプトのモーゼ:チェロの音色が素晴らしくきれい

ジャシンタ ムーンリバー:ヴォーカルはもちろん、ピアノの音色が甘くて素晴らしい

クラシックも色々聴いてみましたが、問題なくこなせます。ジャンルを選びません。

ロクハンとしてはダイヤトーンP-610DBと肩を並べる良い評価だと思います。

ツイータを入れなくても高音までよく伸びているのは、センターキャップがメカニカルツイータ的な役割をしているのかもしれません。特性グラフとは感覚的に違いがあります。

P-610DBはセンターキャップの内側にチタン箔がついていて高域を改善しているそうです。

そこで、PE-16、P-610DB、PAX-A20の聴き比べを行ってみました。

老朽化した耳のことですから、世間の評価とは異なるかもしれませんが、そこはご容赦ください。

PAX-A20と比較した感想です。PAX-A20を「★5つ」としたときの比較です。あくまでも個人的なものですので参考程度にしてください。

低音域 中音域 高音域 全体として
PE-16 ★★★★
低音は出るが深みはあまりない
★★★★★
サラッとしたヴォーカルが聴きやすい
★★★★
特性表よりも伸びている気がする
やや乾いた音感
P-610DB ★★★★★
深い低音が出る
★★★★
女性ヴォーカルの息遣いが感じられてとても良い。時にうるさいことがあるのは惜しい
★★★★
フルレンジとしてはよく伸びている
深みのある音感
PAX-A20 ★★★★★
さらに深い低音が出る
★★★★★
やや乾いた感じのヴォーカルがいい
★★★★★
ホーンの高音が好きな人にはたまらない
レンジが広い音感

PE-16を聴いたあとでPAX-A20に替えるとその差がわかります。音感は同系です。

PE-16とPAX-A20は同じやや乾いた系統の音。P-610DBはB&Wやタンノイのような深みのある系統の音だと思います。

P-610DBの低音域は素晴らしいです。ブライアン・ブロンバーグのWOODを聴くとしびれます。PAX-A20と比べてもそれほど遜色ありません。

中音域の評価が★4つなのは、ヴォーカルが時にうるさく感じることがあるためです。ヴォーカル自体はニューアンスが感じられて良いと思います。ピアノやバイオリンの泣きも素晴らしくきれい。

P-610DB

PE-16は、バランスがとても良く、特に中音域が聞きやすい音感で、ヴォーカルがとても好ましく感じます。これくらいサラッとしている方が良いですね。ピアノやバイオリンもきれいに聴こえます。

PE-16

PAX-A20の低音は、輪郭がはっきりとしていて思わず「すごい」というベースの音を聞かせてくれますし、ヴォーカルも息遣いが聞こえるような臨場感があります。高音域はこれも輪郭がはっきりとした音を聴かせてくれます。ホーンは好みが分かれるところかも。

PAX-A20

全体として、フルレンジは本当にバランスの取れたいい音楽を聴かせてくれます。しかし、レンジはPAX-A20と比べると若干狭いのは致し方ありません。

どれが良い悪いではなく、これは好みの問題だと思います。その時々でユニットを取り替えて聴くのが一番いいように思います。

バランス感を重視するならフルレンジがいいですし、レンジの広さやくっきり感が好ましければPAX-A20がおすすめです。

PAX-A20はドンシャリだという風評について一言

ネットでよく見る意見が「PAX-A20はドンシャリ」または「パイオニアはドンシャリ」というものです。

ある意味同感できる部分もありますし、違うと言う部分もあります。

確かに1970年代のパイオニアの音はドンシャリ感がありました。当時はセパレートステレオが主体で、モジュラーステレオが出始めの頃です。

今の私達がオーディオ小僧だった10代の頃です。

セパレートステレオとは(パイオニア公式サイトより引用させていただきました)

パイオニアセパレートステレオ

モジュラーステレオとは(パイオニア公式サイトより引用させていただきました)

パイオニアモジュラーステレオ

単品のコンポはマニアはともかく、当時10代から二十歳ぐらいの若い世代には高嶺の花でした。

パイオニアのセパレートステレオは何を聴いても優しい感じの音で、いわゆるドンシャリ感がありました。

でも当時はレコードが主体でカートリッジは製品に標準でついていた安価なMM型のもの。アンプはレシーバーでスピーカーもそれなりでした。

このようなシステムにPAX-A20をつないだとしても、似たような再生音だっただろうことは容易に想像できます。

でも現代は、多くのオーディオファンは素晴らしい機器をお持ちですし、B級を自認する私ですらカートリッジはMC型のDENON DL-103やオルトフォン MC20mark2を使っていましたし、プリは管球、パワーはLM3886を使っていますので、当時のセパレートステレオよりは格段に良いと思います。

現代のPCオーディオで管球プリとLM3886で聴くPAX-A20は、ドンシャリ感は全く無く、ワイドレンジでバランスの良い音楽を聴かせてくれます。(あくまでも個人的な意見です。)

※ foobar2000で聴くPCオーディオはとても繊細かつ力強さがあります。Amazon Music HDはこれに比べるとかなりソフトな感じがします。

おそらくPAX-A20がドンシャリという方は、昔’70年代に聴いた音が耳に残っているのだと思います。

昔のユニットの音は、今の機械につないで音楽を聴いてみると、こんなに良い音だったのかと驚くことがしばしばあります。

今でも50年前のユニットが入手可能ですし、実際に聴いてみることはできます。自分の耳で好みの音を探してみるのも楽しみの一つだと思います。

 

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