2023年1月13日(金)
パイオニア PAX-A20は、1969年ごろに「初歩のラジオ」誌などで知ったスピーカーユニットです。
マルチセルラホーンがユニットの中央部に突き出ている変わったスピーカーでした。とても興味がありましたが、当時は買うこともなく過ごしました。
再び興味がわいたのは、このブログの開始時期とほぼ同じ50代になってからです。ようやく購入できたのが2022年の12月でした。
一時は片方のユニットの音が小さく、不良品かと思いましたが、エイジングをするうちに音が戻ってきました。
昔読んだ「ラジオの製作」誌だったと思うのですが、PAX-A20を使った推奨箱の製作記事で、『どちらかというと軽い音。ランサー77系統の音』という記述が記憶にあって、当時はそれが購入には至らなかった理由と思います。
でもPE-20、PE-16、PAX-A16と聴くうちに、パイオニアの音は軽くなんかないし、乾いた音というのが近いように思いました。
パイオニアサウンドがすっかり気に入ってしまい、ぜひともPAX-A20の音を聴きたいと思ったのが、入手のきっかけです。
仮設バッフル板に取り付けて、エンクロージャはダイヤトーン DS-32Bの箱を利用しているので、それに取り付けました。
早速試聴してみました。曲はウンサンのYesterday、German Lopezのイマジン、ジャシンタのMoon Riverなど、女性ヴォーカルです。
とても深い低音が出るのにびっくり。低音のボリュームもあって、まずは低音の魅力に圧倒されました。
女性のヴォーカルは、適度な乾いた感じが心地よいです。このあたりダイヤトーン P-610DBとは逆の魅力ですね。ハスキーな声が耳をくすぐるようでとても良いです。
ホーンならではの澄んだ、そして乾いた高音域がまた心地良いです。
このへんてこな形をしたユニットから、こんな魅力的な音が出るなんて、聴いただけでこれは手放せないと思いました。
昔の記事の『軽い音。ランサー77系統の音』というのだって、JBLのユニットもランサー77も後年にジャズ喫茶で聴きましたが『軽い』という表現は間違いだと思いました。
雑誌などで記事を書く人は、本当に表現には気を付けてもらいたいと思いましたね。ユーザーの脳裏には深いところに残るんです。
このPAX-A20の試聴記にしても、人によって感じ方は違いますし、好みの違いもありますから、気に入るかどうかは人それぞれです。
私はいたく気に入りました。
そして、20代、30代のころのCDデッキやAVアンプで聴かなくて、今で良かったと思いました。
今はB級マニアではありますが、管球プリ、LM3886パワー、ソースはAmazon Musicやfoobar2000でリッピングしたハイレゾ音源を使っていますから、十分にPAX-A20をドライブできているのではないかと思います。
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