11月1日(木)
タンノイ・チェビオットを惜しみつつ手放した後、とりあえず聞ける安価な国産スピーカーが欲しいと思っていました。
ねらっていた日立ローディーHS-500は、とても高価で手が出ません。イートンやデボンが買えるくらいの価格です!
どうせなら大量に出回っているダイヤトーンやヤマハ以外のスピーカーにしようと思っていたのです。ところが、手に入れたのはそのダイヤトーンでした。
思えばダイヤトーンは、昭和50年代に私が欲しいスピーカーNo.1でしたが、実際に聴いたことがあるのはP-610シングルコーンだけでした。入手は、今回のDS-32Bが初めてになります。
入手の動機は、ペアで1,000円という価格です。ダイヤトーンの中ではやや珍しいバスレフであることもポイントでした。
1979年製、1台42,000円(当時)。バスレフダクトが四角いのは前期モデルで、後期モデルは丸いダクトになっています。
古いクロスエッジにありがちなのは、エッジの硬化です。このモデルはまだ柔らかな方ですが、部分的に硬くなっているところもあります。
ユニットはきれいなものです。キャビネットもきれいで、40年近くたったものだとは思えません。しまわれたままだったのかも知れません。
ツイーターは、コーン型でした。チタンのセンターキャップがあって、一見ドーム型のように見えました。
気になる音ですが、1時間ばかり聞きました。
今まで単品ユニットはたくさん聴きましたが、チェビオットと比べるとどれも一聴して劣りました。
ところがDS-32Bは、それほど違和感がありませんでした。サリナジョーンズの「セイリング」、ビルエヴァンスの「Some day my prince will come」、ベートーベン「トルコ行進曲」などいろいろなジャンルを聴いてみました。
低音は解像度もよくきれいに出ているのですが、本当に低い音は出ません。これは多分にエッジの硬化があると思います。25cmバスレフですから、もっと響くような低音が出るはずです。
中音域はきれいなのですが、何か物足りない。これもエッジが関係しているかも知れません。
高音域はとてもきれいです。ホーンとは違うコーンの音色なのですが、悪くはありません。
まだ1時間の試聴ですから決めつけるのは早いです。思っていた音色とは全然違う、チェビオットにも似たところがある音色でした。パンチもありますし、チェロの音色もきれいでした。
中古でもペア10万円するチェビオットの魅力は、価格以上のものがあります。芯のとおった太いきれいな音です。
中古でペア1,000円のDS-32Bは、価格差を考えるとびっくりするほどお買い得です。普通に聴く分には、仮のスピーカーだとしても問題なくいい音です。
強いて言えば、良くも悪しくも国産スピーカーです。万能選手でなんでもこなしますが、弦がきれいとかピアノがすばらしいとかシンバルが乾いているとかいう特徴がありません。
サイズは見た目以上にかなり大型でした。1台19kgもあります。エッジの軟化処理は必須でしょう。
ネットではいろいろな方法が紹介されているので、コストパフォーマンスを考えて試してみます。当分はこれで楽しめると思います。