2012年2月1日(水)
久しぶりの更新です。厳寒期を迎えたリスニングルームでは、なかなかじっくりと音楽を聴く気にはなりません。
PCオーディオに軸足を移して1年が過ぎました。その後の状況を書きしるしておきたいと思います。
楽曲の貯蔵庫となるのは昨年13,000円で購入したEPSONの中古ノートPCです。
外付けHDDに1000曲を超えるflacファイルがあります。flac型式のファイルは圧縮ではありますが可逆性のため音質の劣化がない最も普及している型式です。
PCオーディオのメインとなるDACは、安価なチャイナ製DACです。
S.M.S.L社のSD-1955という型式で、性能には定評があり今でも安価に市販されています。
内蔵DACチップは、AD1955A(アナログ・デバイセズ社)のもので、高価な機器にも使用されています。
音質はオペアンプの交換でがらりと変わりますから、好みのオペアンプを使用することができます。私は、プリとパワーの音質にあうLME49720にしました。
プリアンプはサンバレーSV-3です。真空管6DJ8をTESLA E88CCに交換してコクまろ感をねらっています。
パワーは以前はサンバレーのSV-501SE 300Bシングルアンプを使っていましたが、今はチャイナ製LM3886アンプに替えました。
LM3886は、SV-501SEとほぼ同じ傾向の音質で、さらに明瞭感と図太さを持つ、真空管以外では初めて501SEよりも優れた音質と思われるアンプです。
音の出口、スピーカーはタンノイ・チェビオットです。HPD315A(アルニコ)を使ったやや大型のスピーカーです。
PCオーディオでは、ジャズはおどろくほどの深い低音と乾いたカーンという高音が飛び出してきます。クラシックでは滑らかで本当に美しい弦の音色に魅了されます。
私の機器は自慢できるほどのリッチなものは一つもありません。伝えたいのは、1万円以下のDACと1万数千円のパワーアンプを核としているにもかかわらず、数十万円以上の高価なレコードプレーヤー、CDプレーヤー、パワーアンプを用いたシステムよりも明らかにいい音いい音楽を楽しめることです。
友人宅で高価なシステムと1万円DACを比較試聴した時の驚きを過去のブログにしるしました。
2006年に、いったんはレコードプレーヤーとアナログレコードの魅力に目覚めた私ですが、2010年に出会ったPCオーディオでアナログの常識(オルトフォンのような高価なカートリッジ、リンを初めとする高価なプレーヤー、マランツ又はマッキンといった高価なアンプでなければいい音を楽しめない)を根底から覆されました。
1年間PCオーディオに接してみて、これは本当に優れたものと思いました。
PCオーディオでは、雑誌に書かれているような数十万円のDACなど必要ありません。さしあたって1万円DACで十分です。
アンプもLM3886なら1万数千円です。決して価格ではないところがPCオーディオのいいところだと思います。
今の安価なシステムで十分に満足しています。それでも、数十倍価格の違うアナログシステムよりもメリハリがあって明瞭度の高い、それでいて滑らかで何とも素晴らしい音が楽しめるのですから。