2008年5月27日(火)
先週末にかけて東北地方に旅行に行く機会があり、仙台市にも泊まることになったのです。
仙台といえば当然、「カウント」に行かねばなるまい。Webで住所を調べてMapをプリントして、だいたいこの当たりと見当を付けて楽しみに出かけました。
仙台市青葉区一番町4丁目で遅めの夕食を済ませて夜8時30分ごろから探し始めました。
住所は同じ一番町4丁目だけど、おそらく人通りの多い華やかなところではなく、ひっそりとしたところに違いないと考えながら歩いていました。
10分は歩いたでしょうか。小さな交差点の角を左に曲がって数m歩き、ふと看板を見ると「カウント」の小さな文字が飛び込んできました。
見つけた安堵感でビルに入ると、通路の奥が入り口になって「Count」の照明がついています。カウント・ベイシーからとった名前です。
中にはジャズファンが大勢いるのだろうか。ちょっと気後れしながら遠慮がちにドアを押しました。
何と、土曜の夜というのに客は一人もいません。時間が早すぎたのかも知れませんが、私にとっては好都合でした。
いぶかしげな表情のマスターにコーヒーを頼んで、待ち望んだご対面です。
ALTECは壁際に行儀良く座っていました。やけに大きなホーンを載せています。フロントホーンの箱はなにやら薄い板のエンクロージャーで、ちょっと目にはカラーボックスのようです。
マイルスデイビス、アートブレイキー、ビルエヴァンスを次々とかけてくれました。ALTECの音です。低音はややこもり気味、高音もそれほど伸びていません。でも音の雰囲気は悪くない。
LP片面を聴き終わるころになって少しずつ聞こえてきました。トランペットやサキソホーンの金管の音色がはっとするほど生々しいのです。こんな音は聴いたことがありません。
1時間も聴いたころには低音の音階がほぼ分かるくらい聞こえてきました。高音はあまり変わりません。「カツーン」といった鋭い音ではなくまろやかな高音です。
やはり、空間がやや狭い関係もあるのでこもりぎみに聞こえますが、PA用途らしい朗々さは感じ取れます。聴いているうちに、こういう音もとても良いと思うようになってくるから不思議です。
カウンターにも客が来たためにマスターに色々聞くことができませんでした。プレーヤーはトーレンスだと教えていただいたのみです。カートリッジはV15type3と見受けられました。
スピーカーはA7-500-8(フロントローデッド・バスレフ)でしょうね?ホーンドライバがやけに大きく見えましたけれど、もしかしてALTEC LANSING A5?
Webによれば、アンプはマッキンC22+MC275となっていますが、マスターがボリュームを回したプリは、シルバーフェイスの薄型に見えるアンプでした。
帰宅後に調べると、フェイスはDENON PRA-1000Bにとてもよく似ていました。構成が若干変わってきているのかもしれません。
ただ、A7から出ている音はマランツとは明らかに違うマッキンの音と思われました。
コーヒーのお代わりを頼んで夜10時まで粘りました。いつまでも聴いていたくなる音でしたが、後ろ髪を引かれる思いでカウントを後にしました。
遠くから来た甲斐がありました。ぜひまた行ってみたいものです。勘定を済ませ、遠方から来たことを告げたとき、マスターはにこやかな笑顔を返してくれました。