2016年11月23日(水)
気温9度の寒い晩秋の休日。デアゴスティーニの第4号と第5号が届いていました。
第4号はチャーリー・パーカーの「ナウズ・ザ・タイム」、第5号はディブ・プルーベックの「タイムアウト」です。
ちゃんとヴァーヴ・レーベルになっています。こういうところはレコードファンの心をくすぐりますね。
こちらは第5号。ディブ・プルーベック。
「タイムアウト」です。このジャケットの絵にも逸話があります。
裏面もちゃんと再現されています。
コロムビア・レーベルです。
このシリーズを買うとき、最初は、規格ものだからレーベルもデアゴスティーニの独自レーベルだろうとか軽く見ていたんですが、きちんと作りこまれています。レーベルもきちんと再現されています。
やはりレコードは180gの重量版で、レコードを入れるジャケットは、外観はマニア好みの紙製で内側はビニルコーティングがされています。
レコードの録音はとてもよく、とても1950年代の録音とは思えません。新品のためノイズレスな音が楽しめます。
よくできたシリーズだと思います。価格は1枚2,980円とお高いのですが、この内容なら文句は言えません。
実は、5号の「タイムアウト」のジャケットは見たことがあるんですが、曲は聞いたこともなく、ディブ・ブルーベックという名前も知りませんでした。
このレコードの1曲目からジャズらしからぬテンポの良いポピュラーっぽい音楽に驚かされました。
曲は「トルコ風ブルー・ロンド」で8分の9拍子だそうです。
普通の2、3、4拍子とは全く違うものです。ディブ・ブルーベックはそういうジャズを開拓した人なんですね。
クールジャズの分野でありながら非常に先端を行くサウンドで、そのうえ、ビ・バップの特徴である即興をさりげなく取り入れている素晴らしい作品たちですね。
ディブ・ブルーベックの相棒であるポール・デスモンドもまた非凡なアーティストで、A面最後の「テイク・ファイブ」を聴いてあっと驚きました。
世界中で誰でも知っているあの曲だったんです。最後にYouTubeの画面を揚げてあるのがその曲です。「テイク・ファイブ」はポール・デスモンドの作曲だったんですね。
このレコードを売り出すときの秘話が冊子に書かれています。当時のコロムビアレコードの社長の先見性がなければ、当時のラジオのDJの耳に止まらなければ、この曲は日の目を見なかったかもしれません。
中央の下がディブ・ブルーベック。右端がポール・デスモンド。
ポールデスモンドは1977年に54歳で亡くなったのですが、本人の意思で「テイクファイブ」の著作権一切はアメリカ赤十字社に移され、今でも年間10万ドルの権料が赤十字社に入るそうです。すばらしい遺産を残しました。まさに感動です。
こういう新しい曲やアーティストとの出会いがあるのも、このようなシリーズ企画の恩恵です。デアゴスティーニはよく作ってくれました。
テイクファイブ