2007年7月12日(木)
A505は、中に8球の真空管があり、すべて双3極管のため、16球分のヒーターがあります。
それなのに、通風は画像のようにアンプ後部のスリットしかありません。内部は相当の熱がこもり、特にコンデンサーは熱で劣化が進む恐れがあります。
それで、灯を入れるときは、天板をはずして使っています。
おそらく、このプリアンプはあまり使用されていなかったのではと思います。
それは、一つには真空管の足の周りのガラス管が黒ずんでいないできれいに透きとおっていること。そして、抵抗などの熱を発する部品の周囲の基盤に黒ずみが全く見られないことです。
冬眠時間がかなり長かったようです。(数年~10年以上?)
こういうアンプは、すぐには起きてくれません。スイッチを入れて30分たっても、レコードをかけると女性ボーカルなどが、ところどころやや耳障りな、歪みっぽい音がします。発振しているのかも知れません。
ところが2時間ほど経つと、少しずつ透明感のある音になってきます。そこで、初めにかけて歪みっぽい音がしたレコードをもう一度かけ直すと、とてもきれいな音になっているので、気分的なものではないと思います。
ここまでくると、CDとレコードの違いがはっきりと分かります。
長く使っていなかったアンプは、音を出さずに電源を入り切りして、少しずつ電圧をかけてコンデンサなどをゆっくりと起こしてやらなければなりません。
もし、中古でアンプを購入したら、音が悪いと嘆く前に、この手のエージングが必要かもしれません。